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March 10, 2011

レタッチ考:目黒の一枚を使って☆

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Rimg15941_3

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Rimg15941

(3)
R110309byiha3

GRDigitalⅢ

今日は趣向を変えて。。。さて問題!

①この3つの写真のうち、いはら師匠レタッチ、hilivingレタッチ、オリジナルはそれぞれどれでしょう?
②この3つの写真のうち、どれが一番好きですか?

さあ、考えてみましょう☆

今日は自分の写真を使って人柱になりましょう(笑)
いはら師匠の協力で本日の記事は実現できました。ありがとうございます☆

デジタルカメラで撮った写真をレタッチするための本はものすごく出版されていますが、自分がモノクロ写真で調整するのは、主に次の4つです。
ちなみに使っている画像処理ソフトはPhotosopElements7です。

①レベル補正
②焼き込み
③覆い焼き
④ノイズ入れる
(※アウトプットがPC上の場合。紙にプリントする場合はもう少し手間が入ります。興味のある方は、横木先生のサイトへ)

で、実はこの辺のレタッチの技術のほとんどは、モノクロの暗室プリントの技術でもあるわけです。
と、いうよりも、むしろ逆で、何十年も前からある、暗室の技術がデジタル処理の中で再現されているというのが正解。

そう。昔から有名な写真家たちは、暗室の中でレタッチをしていたわけです☆

もちろんブレッソンも。森山さんなんて最たるもの。

自分もそれを知ったのは2年前で、それまではそういうのヨロシクナイよーとか思っていました。

でも、世の中、そんなこと言っていると、アナタ!取り残されますよ(笑)
というか、自分も知らない間に取り残されていた感が否めません。
今、一生懸命教えてもらっています。

AYPCでその辺を指導してくれているのが、
いはらさんで、プロアマ問わずいろいろな写真家さんの写真展のプリントのお手伝いをされています。
いはらさんは、自分が今挑戦中の某雑誌の年度賞受賞者だったり、なんだったりと、
まったくもって頭が上がりません。まさに師匠な訳でございます。

さてさて、じゃあ、なぜ写真のレタッチするのかというと、それは元の写真をよりよく見せるためなわけです。

以下は、今回の目黒の写真をhilivingがレタッチした時の流れです☆
******************************************
この目黒写真で注目したのは

〇アスファルトの上のラインのキレイさ
〇ヘンな足
〇人の影
〇軍手

でした。それ以外の余白の部分はむしろ、目につかない方がいいわけだろうと判断☆

まず、レベル補正をしています。すこしアンダーに。
なぜかというと、GRDigitalⅢのハイコントラストモードで撮った写真がオリジナルデータだったので、
ただでさえ白いズボンがかなり飛んでしまっています。どうにかして、アンダーに。でも、おかしくないくらいで。

その後、余白の右側、下の部分を焼き込んでいます。それによって何となく白いラインがさらに生きてきたかと。

さらには、ズボンを焼き込んでいます。少し色がつくくらい。ズボンの質感が出る程度。
この時に気をつけたいのは、人の影が”左上”に写っているわけですから、自然光は”右下”から入っていることになります。
だから右側をあまり焼き込むと、不自然な状態になってしまいます。とりあえず、光の向きは要注意!

そして人の影のエッジの部分だけ、焼き込みをしています。輪郭をはっきりさせました。

それとあわせて、人の影の外側のエッジに覆い焼きをしています。これも輪郭を強調するため。

そして、ご存じのように、写真全体にノイズを入れています。粒状感っていうのを再現するため。

以上、10分弱って感じ。(多分師匠は3分かからないはず。。。)

******************************************

焼き込みや覆い焼きの加減や範囲は、人それぞれなのですが、
写真をどうしたら印象的に仕上げられるかっていうのは、天性の感覚とたくさんいい写真を見ているかどうかが重要なんだと思います。

その点、いはらさんはいろいろな方のいろいろな写真をレタッチされているので、
ものすごく経験があるし、本当にキレイなプリントをされます。この前目黒で見せてもらったカラーのプリントを皆さんにもお見せしたいくらい☆

写真コンテストでも選者の先生がプリントについてよく言及されていますが、ホント、知っているのと知らないのではものすごく差がついてしまうわけです。

で、今回のいはらさんのレタッチですが、
オモイ写真が好きなhilivingの意図を汲んでくれた自分好みのレタッチになっています。
いや、むしろ自分以上に、この写真の最終形のイメージを考えていただけた感があります。

よいレタッチャーは、撮影者の意図を自然と汲んでくれるわけなんだなぁ・・・と感動しました。

師匠。また今度別の写真をレタッチしてください☆よろしくお願いいたします。
(もちろん自分でもできるようになりますけど、たまには(笑))

さて、問題の正解です。


(1)hiliving
(2)オリジナル
(3)いはら師匠


正解はありません。

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Comments

いはらさま

お返事が遅くなり申し訳ありませんでした!

いはらさんのコメントを拝見して、自分が意識していなかった点、
たとえば靴の表現の仕方や影の焼き込み方とか、伺ってみれば確かにそうだなぁと
本当に納得です。
やっぱり、プリントありきで作業をやるべきで、
透過光のモニターで見た結果だけを信用してはいけないなぁと。

先日ご提案いただいた、いはらさんの写真でのオンラインレタッチ比較やりましょう!
また連絡させていただきます☆

Posted by: hiliving | March 13, 2011 07:40 AM

こんばんは。
hilivingさんのレタッチは他の作品との一貫性があって、中々好きだったりします。写真群としてのまとまりや主張があると思います。

さて、私のレタッチの内容についてちょっとだけ。

この写真を見た時に感じたのは、路面という舞台の上に人がいるだけなのに、そこに様々な構造が必然のように重なりあっている面白さでした。

具体的には、
・左上から右下に対角線上に走っている線であったり
(よく見ると、オリジナルでも、くつの右下方向にちょっとだけ、路面の色の薄い部分が走っています)、
・軍手から人物下半身、左下の路面の白いチョークのような模様にいたる構造であったりします。

そこでこのふたつの線の構造がさりがげなくかんじられるように、左辺、下辺、右辺の中央を焼き込んでいます。グレーのベタが基調なので、焼き込みのムラが目につかないようにするのがやや大変でした。

そして、人物の影も観察すると微妙な濃淡があり、それがまた素敵でしたので、その濃淡を多少感じられるように、影の中央を部分的に覆っています。
また、影の周囲も股間の部分やベルトの部分のとなりを覆い焼きし、影をより感じられるようにしています。影そのものを焼き込むと、影がベタッと黒くなってしまい、プリントするとムラになって見えてしまうからです。

その他、靴や軍手についても多少の調整をしています。特に靴は中心部にあって、重要ですので、靴の量感がよりでるように、靴の中の黒部分を少し細かく焼き込みをしています。また白い靴底の下部の路面を少し焼き込み、
靴底が映えるようにしています。

テキストにするとなにやら長ったらしくて恐縮ですが、こんな感じでレタッチしてみました。あくまで、考え方のひとつということで。

ではではお休みなさいませ

Posted by: いはら | March 11, 2011 01:28 AM

パインさま

どうもです☆

いや~ホント喜んでいただいて何より。人柱になった甲斐がありました(笑)

そう。『何を伝えたいか』ってところに尽きます。
写真を撮った人が、見えた風景をより適格に(正確って意味ではなくていいと思います。)
伝えることがもう一つの写真の面白さだと自分も思います。

良くモノの本にも載っているけど、
写真が日本に入って来たとき、”写真”っていうより、”光画”って訳すべきだったんだと自分は思います。

この記事は、いはらさんがいらっしゃって実現できたものでして・・・自分の写真だけでは成り立たなかったです。ハイ。
混ぜるも何も喜んで☆まあ一度ご案内いたします!

しかし・・・パインさんも写真当たっちゃいましたか。。。クイズになってないね(笑)

Posted by: hiliving | March 10, 2011 10:30 PM

バートさま

どうもです☆

いやいや、iphoneでわかってしまうくらい、
クセがある自分の写真って・・・なんだか、投球フォームを読まれたピッチャーの気分です(笑)

それともiphoneのモニターの性能がいいってことですかね??? ^_^
なんにしても、いつもありがとうございます!

Posted by: hiliving | March 10, 2011 10:18 PM

いはらさま

重ね重ねありがとうございました。

どこを焼き込むか等々、
自分とレベルの違う部分を見せていただいてとても勉強になりました。
多分、普段いはらさんが撮られている写真よりも、
自分の写真はハイコントラストでダークな写真なんで、
ある意味楽しんでいただけたんでないかと(笑)

自分が普段いはらさんの撮っている雰囲気の写真をレタッチしろと
言われてもきっとデキマセン^^;

多分その辺の繊細な焼き加減(?)を知らないといけないんだと感じています。

とても勉強になりました。ありがとうございました。

Posted by: hiliving | March 10, 2011 10:14 PM

buuさま

どうもです☆そうなんですよね。
写真て撮って終わりじゃないんですよね。
撮った後にどう見せるかも写真を撮る人の腕の一つだと今更ながらに思います。
もっと早く気が付いていればよかったです。

いはらさんのレタッチはやっぱりとても繊細だと思います。
自分のように大雑把でないのが、やはり腕の違いだと感じました。
勉強になりましたです(笑)

カラーは。。。厳しい道のりです。
それとテーマ。ちょっと考えときますね☆

Posted by: hiliving | March 10, 2011 10:10 PM

テーマは、2語以内でなんでしょう?

私は

Silence vector

Posted by: buu | March 10, 2011 05:06 PM

これぞ写真の醍醐味ですね!

「自分だったらどうするかな?」
という視点で記事を楽しく読ませてもらいました。


写真のレタッチ・現像などを経て作られた
微妙なニュアンスの違いは、

「何を伝えたいか」

という点が表に現れる事だと僕は考えてます。
(写真に限らないことだと思いますが)
その点についてはhilivingさんが語られていた
「本人の蓄積」に尽きるんでしょうね。

こういう形の勉強会(?)も素敵な試みですね。
オフラインもオンラインも、改めて・・・混ぜてください!

あ、そういえば問題は正解できましたよ! 
ただ、ずっとhilivingさんの写真を見ていたから
消去法で見つけたという感じですけど(笑)

Posted by: パイン | March 10, 2011 01:15 PM

しかも、iPhone3Gの画面で(^_^;)

Posted by: バート | March 10, 2011 08:43 AM

文章読まずに正解を当ててしまった私って(*^^*)

Posted by: バート | March 10, 2011 08:40 AM

おはようございます。いはらです。
好きな写真だったので、思わずレタッチを
してみました。記事にしていただきありがとう
ございます。

僕が最近レタッチの時に意識しているのは人間の目
の視覚や映像の記憶がどうなされているかという
事です。人間の目は周辺にゆくほど、ぼやけていて、
色を弁別する能力もおちていきます。また高速な認識
のためでしょうか、エッジに強く反応します。
また、脳が記憶している映像もモノクロやモノカラー
ですよね。

そういった事を意識して、視覚という人間の感覚
の入り口から、そっとかつ大胆にしのびこむような
プリントをしたいなと思っています。

考えようによっては結構、過激かなあと
今回のレタッチでやったことは、
また今晩にでも書きこもうかと
ではでは

Posted by: | March 10, 2011 07:32 AM

おもしろい。
これだからCReCOは必要で、その人の創造力が見えてきます。
解はありません。
表現は自由です。
その代わり、その表現に責任を持たなければいけないと思っています。

I師匠はレタッチ時にプリントしたときのイメージを持っているような気がします。
できるだけ素材を活かそうとしています。穏便な仕上げです。

hilving さんは、もっとテーマを意識したものに仕上げています。過激でもあり見る側に考えることを要求しているような気がします。
たぶんそれが持ち味だと思います。

これがカラーで表現できたら凄いね!

Posted by: buu | March 10, 2011 06:00 AM

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