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December 26, 2011

仏界魔界

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GRDigitalⅢ

「仏界魔界」という言葉。

「仏界魔界」

とか書くと、何となく、怪しげな字面なもんで、
いったいどうしちゃったのと気になる方もいらっしゃると思いますが、たまにはそんな話も。

この言葉は元は仏教の言葉だそうで、両方の世界があるから、
いい行いをしていれば、仏の世界に行けるからいいことして過ごしなさいよ云々な意味なのだそうです。

晩年の川端康成はこの言葉を非常に好んだとのこと。
行きつけの飲食店にその書を寄贈したとかしないとか。

何故、川端康成は、この「仏界魔界」という言葉を好んだのか。

表現者であった川端康成は、作品の創作の過程でさまざまな世界を文書で創造していく必要がありました。

当然のことながら、そこで求められるのは、ある意味、現実以上に生々しいリアリズム、

登場人物たちの

〇姿
〇愛
〇友情
〇裏切り等々

彼の作品は多くの人々にそれらを期待されており、
当然、それに応えなければならない。
そんな極度のプレッシャーの中で作品と向き合っていたのでしょう。

過剰なまでのリアリズムを模索する中で、辿り着いた言葉がこの「仏界魔界」というもの。

一人の人の想像の及ぶ範囲など限界があり、作品として、陳腐なものにしかならない。
真の仏界、魔界いずれも知り得てはじめて、
自分の作り上げたい作品、生々しいまでの人間のリアリズムが描き出すことができる。
故に、人々の心に響く作品に近づくことができる…という発想に至ったんだとか。

なぜか、そんな話を思い出した連休なのでした。

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