hommage
仕事帰りにちょっと入った本屋さんで岡本太郎さんの本を買いました。
その一節が気に入ったのでご紹介します。
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近所づきあいや処世術などとちがって、純粋に直感しなければならない芸術鑑賞には、
まず、このような不要な垢をとりのぞいてかかることが先決問題です。
聞いたり、教わったりするんじゃなく、自分自身が発見する、自分の問題としてです。
そうすれば自然に、自分自身で、ジカに芸術にぶつかることができるのです。
ここで私は「芸術」の説明をするのではありません。
私のつねに主張していることですが、芸術は絶対に教えられるものではないのです。
芸術の学校なんて、オカシイ。
芸術はすべての人間の生まれながらもっている情熱であり、欲求であって、
ただそれが幾重にも厚く目隠しされているだけなのです。
力になることができるのは、それをはずすこと、そのキッカケ、方法をいっしょに考えることなのです。
はずした後は、それぞれの実力で、自由に芸術を判断すればよい。
きっと、「芸術がわからない」などというのが、どんなにバカげたことだったか、すぐに気がつかれるでしょう。
そして、芸術こそ他人ごとでなく、自分自身の問題であり、生活自体だということが分かってきます。
(岡本太郎:「今日の芸術 時代を創造するものは誰か」;第1章 なぜ芸術があるのか)
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