朋あり遠方より来る
土曜日の夜、横浜の野毛で後輩と一席。
大学院の研究室の一つ下の後輩で、この秋に結婚するとのこと。
仕事の関係で沖縄に転勤して3年、
沖縄でお相手を見つけたということだった。
5年前、入院している時に
家族以外でお見舞いに来てくれた数少ない人間の一人。
もちろん、盲腸程度なんだからと言って
お見舞い自体遠慮していたのだけれど、
それでもと頑なに心配して駆けつけてくれた恩人。
羽田から海外へ行く予定だということで
その乗り継ぎ時間の合間に、横浜まで足を伸ばしてくれた。
その日の午前、トレーニングを兼ねて
かなり歩いてしまったので右足のふくらはぎが張ってしまった。
人混みを歩くのがしんどそうだったので
大事をとって車で行くことにした。
ランドマークタワーの目の前に展示されている日本丸の近くにある
コインパーキングまで車で向かった。
桜木町の改札で待ち合わせていたが、
気候も天気も格別に良い土曜日だったし、相変わらず人が多かった。
慣れ親しんだだけれども、ここは観光地なんだよなぁと改めて認識。
この混雑で二人を見つけられるかなと心配になり、
携帯で連絡を取ったほうがいいかなと
IPhoneを手に取りながら周りを眺める。
改札口に一番近い柱のそばに立っている二人を見つけることができた。
野毛地区は昔ながらの飲食店街で、
個人経営の小さな居酒屋やバー、料理屋などが狭いエリアにひしめいている。
家人と足繁く通っている都橋近くのバーで二人の話を聞かせてもらった。
わずか数時間だったけれども、とても楽しい時間だった。
初めて会った彼女だったけれども、
とても気さくで旧知の友達のように話すことができた。
自分も心底感じるが、家人が明るいというのはとても救われる。
少しばかり外で嫌なことがあっても、家に帰ればすっかり忘れられる。
いい相手を見つけたなぁと、老婆心ながらとても安心した。
二人の幸せそうな様子を見ていたら、沖縄の空気に触れてみたくなった。
帰りの車中で、家人と沖縄旅行の計画を立てながら、楽しい時間の余韻に浸った。