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May 16, 2015

150424 術後1日目

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身体を捩らせ枕を据え直していると手が携帯電話に触れた。
午前4時。
起床時間の午前6時までは時間がある。
ひどい悪寒のせいで寝ていたのかどうかもわからない。
ベッドのボタンを押すとギーという
機械音に併せてゆっくり上半身が持ち上がる。
胸のあたりがずしりと重い。
深く息を吸い込もうとするが、
何かに支えて空気を吸い込みきれない。
麻酔の症状がまだ残っている。
身体の節々が痛むので身体を完全に起しきれない。
熱がありそうだ。

布団をめくり上げると、弾力性のあるウレタンのような素材でできた
大きな灰色の装具が右ヒザを完全に包みこんでいる。
氷のうらしきものがヒザ頭に置かれている。
20cmの厚さの台座の上に右足が乗せられ、
ヒザが15度の角度で曲がるように保護している。
この角度が術後のヒザには最適な角度らしい。
伸ばしたままの姿勢でいると、ヒザの外側に通っている神経束を圧迫し、
耐え難い痛みやしびれ、最悪の場合は歩けなくなる可能性があるそうだ。

今日の朝、点滴は抗生物質に切り替えられ、朝食から通常の食事になる。
この体調だと到底食べられそうもない。
12年前にケガをした時もそうだった。
身体に外傷を受けて数日、高熱や悪寒と付き合った記憶がある。
今回の手術もある意味、身体にとっては損傷なわけだから
同じくらい、少なくとも3日くらいはこんな感じなのかもしれない。
想像はしていたけれどなってみるとやはりしんどい。
あまり考えても仕方ないので、ベッドを横にして目を閉じた。

案の定、朝食はほとんど食べれなかった。
朝食と併せて、ヒザに乗せていた氷のうを交換する。
氷がパンパンに詰まったかなり大きな氷のうだけれど、
ヒザが発熱しているのか冷たさを全く感じない。
朦朧としたまま、また横になったが、全く寝付けない。
あまりの熱に耐え切れないので、頓服薬を処方してもらうことに。
5分も経たないうちに身体が楽になり眠りについた。

数時間眠ることができた。
昼からは鎮痛消炎剤が飲み薬で処方され、薬を飲むため無理やり食事を押し込む。
横になり、30分、1時間と効果を待ったが、一向に痛みと熱が収まらない。

14時。
レントゲン撮影のため、車イスに移動しようと身体を起こす。
装具をつけた右足を自分で持ちながらベッドのヘリに座ったところ、
右足のスネに電気を流したような激痛が走り、
足の指が意に反してぐにゃぐにゃと動く。痛みに耐えられず足をベッドへ戻す。
正体不明の痛みで車イスに移れず、レントゲンの時間を仕切り直すことになった。
術後、右足を台座に上げていたため血流が少ない状態だった。
身体を起こし、右足が心臓より低くなったため、
大量の血液が一気に右足に流れ込みヒザ周りの神経を刺激をしたようだ。
鎮痛消炎剤の効き目があまりないので、座薬を使うことになった。
しばらくすると、身体も楽になり、スネの痛みもだいぶ引いてきた。

座薬が効いてきたころ両親が顔を出した。
母は胃の検査ができなかったとのこと。
喉への麻酔をうまく処置してくれなかったため、胃カメラを飲み込めなかったそうだ。
胃カメラの技士は、母の喉の麻酔の状態を知らないまま、
そんなことじゃ検査できない、あなたがしっかりしなきゃダメだ等々、
厳しい言葉を浴びせ、頭にきた母はもういいです、といって検査室を出たらしい。
母はその病院自体に不信感を持ってしまい、
週明けの別の検査をキャンセルしてしまったとのこと。
自分も頑張っているんだし、
別の病院で構わないから、また検査を受けてと強く言ってしまった。
母は自責の念と、自分の口調ですっかりシュンとなってしまった。
もう少し言い方があったかもしれないが、気が回らなかった。
弟たちにメールしてフォローを任せよう。

レントゲン室への移動のため、車イスに移る。
自分の手で右足を持ち上げるが、信じられないくらい重い。
わずか1日で、何かの物体に変わってしまったようだ。
車イスを押してもらい、1Fのレントゲン室へ向かう。
わずかな段差の揺れがすべて右ヒザに伝わり、その都度、歯をくいしばる。
レントゲン室で寝た姿勢、座った姿勢で何枚か撮影する。
痛みと違和感で、身体の姿勢を保つだけなのに全身から汗が吹き出る。
それぐらいのことができないなんて、
はっきり言って人間じゃなくなってしまったようだ。
全く情けない。

車イスからベッドへの移動は最初の時より上手くできた。
痛みとだるさは変わらないが、そんなことでも少し嬉しかった。

少しでもいいから、昨日より今日、今日より昨日と、体調がよくなってくれるといい。

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