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September 10, 2017

revise

170909


アメリカの作家レベッカ・ブラウンさんと翻訳家の柴田元幸さんのトークイベントを拝聴。
レベッカ・ブラウンの「かつらの合っていない女(Woman In Ill-Fitting Wig)」の日本語訳版の出版に合わせたイベント。
画家のナンシー・キーファーが描いた極めて小さな肖像画を基に、
レベッカが自身のイメージを広げテキストを書いたもの。
レベッカが原文のテキストを読み、柴田さんが翻訳をするという形で幾つかの作品が紹介された。
柴田さんはレベッカの文体を
「この人の文章は音楽というよりほとんど呪文のようなリズムを持っている」
と評していたが、まさにそのとおりだった。
原文の英語は決して複雑な文ではないし、特別難しい単語を使っているわけではない。
非常にリズミカルにもかかわらず、深く重々しい内容を紡いでいた。
レベッカはテキストを書き出した後、そのreviseにかなりの時間を費やしているとのこと。
テクニカルなチェックはもちろん、
テキスト自体からハートが感じられるかを特に意識しているそうだ。
「アメリカには素晴らしいテキストを書く作家はたくさんいるが、ハートが無いものは響かない。」
という言葉が印象的だった。
それにしても、驚いたのは柴田さんの翻訳。
レベッカの原文のイメージを損なうことなく、見事に翻訳されていた。
素晴らしいものを体験した土曜日の昼下がり。

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