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February 18, 2018

第27回 林忠彦賞

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第27回林忠彦賞が藤岡さんの写真集に決まりました。
年末に推薦委員の方から他薦をいただき、
昨年の夏に新宿のエプサイトで開催した自分の写真展も
エントリーさせていただいていました。
このような大きな賞に参加するよう声をかけていただいたのは
初めてのことで夫婦で喜んでいました。

結果は残念ながら落選でした。
しかし、こつこつ地道にやってきたことが、素晴らしい賞への参加につながり大変感謝しています。
今後も信念を持って写真に取り組み、
またこんな機会がいただけるよう、頑張りたい所存です。

今回の賞に最終選考まで残った方は「写真集」を出している方がほとんどだったようです。
自分も写真集を出せたら・・・と、たらればを並べても仕方ないですね。

せっかくですので賞に添付したキャプションを書きます。
今の自分の写真に対する気持ちを書いたもの。
これからも自分らしく骨のある写真を撮り続けます。

***

something-invisible

写真。
特別な場所、特別な人、特別な瞬間が写真に切り取られる。
それだけが写真ではない。

日常の日々の中でも、
見る人の心を撃つような写真が撮れるはずだ。

文字。
神話や権力者の英雄伝が記録された。
数百年かかり、数多の物語が出来上がった。
文字を扱える人々、限られた人々にしか読まれないものだった。
その後、物語は市井に広まる。
しかし、紀行や怪談など、奇抜で特殊な内容のものが好まれた。

現代。
文学の対象は市井の人々の生活に向けられはじめた。
日常にも十分に語るべきストーリーがあるからだ。

写真。
いつまで、特別なものにしがみつくのか?
いつまで、極地や決定的な瞬間、美しい風景や奇抜な人物にしがみついているのか?

十分に刺激的な瞬間は身の周りにいくらでもある。
その瞬間を生け捕りにし、表現できる写真家になりたい。

市井の人々の生活が文学の対象になるまで、数百年の時間を要した。
写真が真の意味で表現手段として確立するには、どれだけの時間がかかるのか。
誰かが歩みを止めず、積み上げていく必要がある。
答えがあるわけではない。日も当たらないかもしれない。
それでも、私は写真の力を信じ“見えない何か”を撮り続けたい。

2017年12月   猪俣 肇

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