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September 25, 2022

物干し竿

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洗濯物を干すのは大伯母のSおばさんの分担だったらしい。
そのSおばさんが闘病の末、年末に他界し、
あわただしく寂しい年末年始を乗り越えた頃、
Sおばさんと二人で暮らしていたNおばさんへ、
妻がご機嫌伺いの電話を入れた。
聞けば、物干し竿の位置が高く、
洗濯物が干しづらいと話しているとのこと。
数日後の週末、Nおばさんの家へ顔を出し、
物干し竿の件を聞いた。物干し竿についてその手の悩みは多いようで、
Amazonで検索してみると既設の物干し竿に簡易なブラケットを当てがい、
位置を下げる商品が数種類あるとわかった。
実際、どのくらい物干し竿を下げたらいいのか確認するため、二階のベランダへ向かう。
話しの流れでベランダへ来たものだから、物差しの類は用意しておらず、写真を撮ることにした。
撮影にあたり、実際に立つ位置、手を伸ばす角度を再現してもらう。
物干し竿を下げる寸法は、おばさんの手の大きさや手を伸ばした先にあるS字のフックで荒方の見当がつく。
数日後、ステンレス製のブラケットを設営。
簡単に洗濯が干せると喜んでくれた。
それからわずか数週間後、Nおばさんは急な病に倒れ、Sおばさんの元へ旅立ってしまった。
仲が良いにも程がある。
我が家で飼い始めたネコに会ってもらいたかった。
物干し竿の調節を気に入ってもらえてよかった。
芸術全般を愛し、絵が上手かったNおばさんにあてて、この写真を飾ることにした。
どこかから見ていてくれたら嬉しい。

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